日本超音波骨軟組織学会 第2回中国・四国分科会が、
広島市内にて開催されました。

2006/07/11
 
   平成18年7月9日(日)、広島市内の施設「広島国際大学 国際教育センター 500A号室」において、第2回 西日本支部 中国・四国分科会が総勢54名の参加者で開催されました。  
     
   
     
 
【開会の辞】 【症例発表】
開会の辞 中村 辰三 会長
症例発表 田中 博 (広島県)
(明治鍼灸大学名誉教授、学術博士)
テーマ:「マレットフィンガーにおける超音波画像経過」
 
-剥離骨折の仮骨形成は?-
 
     
   今年度より、新たに本学会の会長に就任された中村辰三会長による開会の辞で幕を開けた分科会は、まず症例発表として田中 博会員(広島県)による「マレットフィンガーにおける超音波画像経過―剥離骨折の仮骨形成は?―」をテーマにした発表からスタートしました。先生の診療所スタッフがマレットフィンガーを受傷され、その経過を超音波診断装置により、負傷1日後から8ヶ月間にわたり、継続的に観察された経過報告という内容のものでした。  
     
 
【基調講演T】
神経運動器学講座整形外科分野講師)
「超音波を日常診療へどう役立てるか -小児から高齢者まで-」
 
     
   次に基調講演Tとして、「超音波を日常診療へどう役立てるか―小児から高齢者まで―」をテーマに、神経運動器学講座整形外科分野講師 によるご講演が行なわれました。
 まずは会場内の緊張を解きほぐす、秋田県の「県民性ランキング」などのユーモラスな話題で、会場内の和やかな笑みを誘った後、本題のご講演へと移っていきました。
 「日常よく見かける疾患」のキーワードとして、膝:PFL(popliteo-fibular ligament)、足:ATFL(anterior falo fibular ligament)、肘:AOL(anterior obque ligament)の3つの部位を上げ、患者さんの動作の変化や外形的な変化をビデオや写真で追い、解剖図で対象部位の構造を確認した上で、超音波の画像を分かり易く解説されました。そして講演の最後に、0から「超音波は解剖が全て!」であるというお話がありました。それぞれの部位における骨・軟組織の位置関係を、解剖遺体の画像等を使用して丁寧におさらいをしていただけた事で、聴講者は、午後からの教育セミナーに、画像読影の確かな手がかりを掴んで臨まれたのではないかと思います。
 
     
 
【基調講演U】
木谷 隆夫 先生
(浜脇整形外科病院臨床工学技師長、看護師長・臨床検査技師)
「明日から使える超音波検査」
 
     
   5分間の休憩を挟んで行われた基調講演Uでは、「明日から使える超音波検査」というテーマで浜脇整形外科病院臨床工学技師長、看護師長・臨床検査技師である木谷隆夫先生にご講演をいただきました。木谷先生のご講演では、あらためて音響工学の基礎、超音波診断装置の特徴、プローブの持ち方・走査方法、装置の設定方法など、超音波そのものの性質と画像形成に関わる重要な要素を理解する上で、必要な基本知識をご説明いただきました。さらに後半では、「当院の超音波検査でよく目にする腫瘤病変」ということで、脂肪腫、ガングリオン、粉瘤、リンパ節・リンパ管の腫大、神経鞘腫、下肢静脈血栓症などの貴重な症例画像データをご紹介いただき、参加者の関心を引くご講演となりました。時間の都合で駆け足となってしまいましたが、その豊富な内容は、次の機会にゆっくりとご紹介をいただきたいものでした。  
     
  【教育(初級)セミナー「体幹実技編T・U プローブ・ワーク実習」】  
 
教育(初級)セミナー 「体幹実技編T・U」 プローブ・ワーク実習の様子

講師 頚部:山田 直樹(愛知県)、腰部:大原 康宏(福岡県)、症例:増田 雅保(大阪府)

 
     
   昼食休憩の後は、教育(初級)セミナーの「体幹実技編T・U プローブ・ワーク実習」が開催されました。講師として山田直樹先生(愛知県)、大原康宏先生(福岡県)、増田雅保先生(大阪府)の3人の先生にご担当いただき、プレゼンによるアプローチ法の説明を交えた、きめ細かなプローブ・ワークの指導がなされました。慣れない手付きながらも、懸命に技術習得に挑む若い先生方のフレッシュな姿は、今後の本学会の活動を支える新しい力となることを期待させました。  
     
 
【閉会の辞】
増田 雅保 西日本支部支部長(大阪府)
 
     
   そして最後に、増田雅保西日本支部支部長による閉会の辞があり、全国各地で開催される学術集会、分科会の今後の開催予定、及び9月10日(日)に大阪で開催される第6回学術総会(全国大会)への、積極的な参加を要請するアナウンスがなされました。