日本超音波骨軟組織学会(JSBM) 西日本支部
第24回 九州分科会が鹿児島市内で開催
2007/02/20
     
   平成19年2月18日(日)、鹿児島市内の『かごしま県民交流センター』において、日本超音波骨軟組織学会 西日本支部 第24回 九州分科会が、27名の参加者を迎えて開催されました。

 まず田沼和事務局理事(茨城県)から、プログラムの一部変更や会場内における注意事項等が案内された後、大原康宏理事(福岡県)による開会の辞へと移りました。大原理事からは、本日の日程を簡単にご説明された他、現在の学会会員総数と九州地区会員数、全くの初心者を対象とした入門編の新設、現在の初級セミナーの内容をさらに一歩踏み込んだレベルに上げること、中級セミナーの受講と運動器系超音波技師認定試験への挑戦の勧めがアナウンスされました。
 
     
 
【基調講演T】
『日常よく遭遇する運動器疾患のエコー』
医学部神経運動器学講座、整形外科学分野助手・医師
高橋 周 先生
 
     
   そして分科会は、勝田浄邦先生(福岡県)の司会により、基調講演第一部として高橋周先生(医学部神経運動器学講座、整形外科学分野助手・医師)のご講演 『日常よく遭遇する運動器疾患のエコー』が行われました。
 ご講演では膝関節と足関節がメインテーマとして取り上げられ、構造(解剖)の解説、ガングリオン、前距腓靭帯損傷、アキレス腱断裂などの術中の写真や症例エコー画像(動画・静止画)の紹介、MRI・X線画像との比較、さらには最新の3Dエコー技術などのご紹介もされました。
 また、「スポーツ現場での使用」ということで、子供達の野球肘の検診風景や日本テニス協会のお仕事でご活躍される様子などが紹介され、聴講者の関心を高める、大変貴重なご講演となりました。最後の質疑応答では、参加者2名からのベーカー嚢腫についてもっと詳しく聞きたいという質問にも快く応えられ、腫瘍との鑑別法など、豊富な経験と知識からわかりやすく解説されました。
 
     
 
【基調講演U】
『肩関節 解剖から超診まで』
医学部神経運動器学講座、整形外科学分野医員・医師
阿部 秀一 先生
 
     
   続いて、司会は寺原雅典先生(宮崎県)へと代わり、基調講演第二部の阿部秀一先生(医学部神経運動器学講座、整形外科学分野医員・医師)のご講演 『肩関節 解剖から超診まで』へ移りました。
 まずは肩関節の構造を中心に、腱板の付着部分などの何層にも重なり合う軟部組織の位置関係を、3Dの解剖イラストや遺体解剖写真を使用しながら、詳しく解説されました。その後は、水腫、上腕二頭筋長頭腱断裂・脱臼・亜脱臼、腱板炎、腱板断裂、石灰性腱炎、変形性肩関節症など、肩関節におけるさまざまな症例を、非常に多くの画像や図を使って丁寧に解説されました。
 ご講演の最後に、超音波の観察法のポイントを、『解剖をよく知る』『骨性のランドマークをもとに再現性のある画像を出す』『正常像を知る』『健側と比較する』『各疾患に特徴的な画像所見を知る』の5つにまとめて再確認されました。
 
     
 
【教育(初級)セミナー】 『体幹実技編(頚部・肋骨、腰部)』
 
     
   午後からは、部屋を隣の研修室に移して教育(初級)セミナーの部『体幹実技編(頚部・肋骨、腰部)』が行なわれました。
 大原康宏先生(福岡県)を講師に、インストラクターには寺原雅典先生(宮崎県)、勝田浄邦先生(福岡県)、小幡龍生先生(熊本県)が就かれました。
 今回のテーマとなった頚部・肋骨、腰部の各部位における画像描出法のポイントを、プレゼンテーションにより詳しく解説された後、受講者は実際にそれぞれ実機に触れて、アプローチ法を習得する為に、さまざまな思いで実技講習に取り組みました。
 当日、会場内には最新のフルデジタルカラー機が4台設置され、その画像の鮮明さに、初めて画像を目のあたりにした参加者からは驚きの声が上がりました。
 
     
  【閉会の辞】  
   最後に、寺原雅典理事による閉会の辞が行なわれました。そして、次回以降の開催日程がアナウンスされ、今後一層の積極的な参加が呼びかけられました。