2008/6/15

 平成20年6月15日(日曜)、愛知県名古屋市にある東京福祉大学大学院名古屋キャンパスにおいて、日本超音波骨軟組織学会第16回中部分科会が総勢78名の参加で盛大に開催されました。


【開会の辞】
 分科会は竹市勝・諮問委員の開会挨拶で幕を開け、本学会の編集で「入門 運動器の超音波観察法」(医歯薬出版) が発刊されたことの紹介と、本日の分科会により、超音波のスキルが向上することを期待しますという言葉がありました。

竹市 勝・諮問委員

【パネルディスカッションの部】
 司会に山田直樹先生、パネラーに金田晋先生、渡辺正哉先生、奥村卓巳先生、日沖貴宣先生、若曽根伸二先生、近藤英隆先生を迎え、「肩関節」をテーマにパネルディスカッションが行われました。「最初の頃、よくしたミス」「私の肩の見方」「最近のマイブーム」の3つを主題とし、会場内のスクリーンに超音波画像を映しながら、各先生の活発な意見交換がなされました。また、オブザーバーとして臨席いただいた古東司朗先生からも、丁寧な解説をいただきました。

(左から)山田 直樹先生、金田 晋先生、渡辺 正哉先生

(左から)近藤 英隆先生、若曽根 伸二先生、日沖 貴宣先生、奥村 卓巳先生

【基調講演の部】
  古東司朗先生(古東整形外科・内科院長)より「足関節捻挫の遺残性疼痛」というテーマで講演をいただきました。冒頭、「超音波は手軽で、被爆がなく、観たい時に観ることができるので重宝しています」 とのお言葉があり、左足関節前距腓靭帯損傷や距骨骨軟骨損傷、距骨骨軟骨障害(離断性骨軟骨炎)、腓骨筋腱脱臼など様々な症例を、豊富な超音波画像に、レントゲン画像、MRI画像、解剖画像を組み合わせて解説していただきました。 整形外科分野で日常的に超音波検査を実施して来られた古東先生ならではの、とても分かり易い講演となりました。終了後は質疑応答の時間を設け、会場内からの一人ひとりの質問に丁寧に回答していただきました。

古東 司朗先生

【教育セミナーの部・初級編-体幹-】
 金田晋先生、奥村卓巳先生を講師にお迎えし、超音波の特性や頸部、胸部、腰部について、講義していただきました。その後は、実際にモデルを使っての実技紹介へと移り、会場内に設置されたスクリーンの左側にはプローブワークのリアルタイム映像が、右側には付随した超音波画像や解剖画像が映し出され、とても分かり易いプレゼンとなりました。
 プレゼンの終了後は会場内に設置された5台の超音波を使った実技演習となり、それぞれに配置されたインストラクターの指導のもと、チェックシートに記載された演習課題 「板状筋・椎体前面」 「肋骨・肋軟骨」 「腰椎(棘突起・椎弓)」を、参加者全員が確実に演習されました。
【教育セミナーの部・入門編】
 同時並行で、隣のレクリエーション室においては、山田直樹先生を講師にお迎えし、入門編が開催されました。超音波診断装置を安全に使用するために必要な音響工学等の基礎知識と、正常像で四肢を描出するために必要な知識と操作手順などを解説していただきました。
 実際にモデルを使っての実技紹介も行われました。

【閉会の辞】
 山田直樹学会理事より、今後の開催日程のご紹介と、名古屋での教育セミナー中級編の来年度開催を願う言葉があり、盛大な拍手に包まれながら、第16回中部分科会は終了しました。

山田 直樹・学会理事