(JSBM)日本超音波骨軟組織学会 東日本支部
2008/10/24 更新
平成20年10月19日(日)、東京都千代田区一ツ橋の日本教育会館8階第一会議室(801号室〜804号室)において、日本超音波骨軟組織学会第14回東日本支部学術集会が、総勢137名の参加者を迎えて盛大に開催されました。

【開会の辞】
 うららかな秋晴れの続く中、東日本支部学術集会は坂本哲也学会理事・東日本支部副支部長の開会の辞によって幕をあけました。

坂本哲也学会理事
東日本支部副支部長

【教育セミナー・初級編】
 『開会の辞』の後、プログラムは『教育セミナー』へと移りました。
 同会場では坂本哲也先生(埼玉県)が講師を担当され、「体幹」をテーマに『初級編』が行なわれました。
 まず、坂本哲也先生よりプレゼンテーション形式によるプローブ・ワーク上の注意点や症例解説などの講義が行われ、その後、実技講習へと移りました。インストラクターは早川浩実先生(千葉県)、坂本明広先生(東京都)、石田岳彦先生(千葉県)、新井達也先生(埼玉県)、望月真先生(神奈川県)が担当されました。各インストラクターの丁寧な指導の下、「頚椎と起立筋群」、「肋骨・肋軟骨」、「腰椎(起立筋・椎弓)」をテーマに参加者全員が実技演習に取り組みました。
 また、講師の坂本哲也先生は、会場前方に設置された日立メディコ社製“EUB-7500”の描出画像と“ビデオカメラ”によるプローブ・ワークの映像を使いながら、各課題について模範となる画像描出の実演をされました。
初級編風景(第一会議室)
初級編風景(第一会議室)

講師:坂本哲也先生

教育セミナー『入門編』の様子(会場:第一会議室)
【教育セミナー・入門編】
 同階808号室では、曽山良之輔先生と柳田雅彦先生を講師に迎え、『入門編』が行なわれました。プレゼンテーション形式にて、音響工学等の基礎知識や実際のサンプル画像等を交えて解説いただいた後、会場内に設置されたMEDISON社製“PICO”を使っての画像描出の実演やプローブ・ワークの実演が行なわれました。また、会場は全席がほぼ埋まるほどの盛況となりました。
入門編風景(808号室)

講師:柳田雅彦先生

講師:曽山良之輔先生

【基調講演】
 昼食休憩を挟み、午後からは『入門編』と『初級編』の参加者合流の下、第一会議室にて『基調講演』が開催されました。
  司会を田沼和事務局理事、座長を佐藤和伸学会副会長・理事が担当され、講師にはクロス病院整形外科部長のをお迎えして、「年代別にみる外傷の捉え方 −小学生、高齢者からトップアスリートまで−」というテーマでご講演いただきました。
  は、スポーツ障害の予防について、“小学生の野球肘”や“中学生のジャンパー肘”、“高校生・大学生の全十字靭帯損傷”、“社会人・プロスポーツ選手の半月板損傷”など各世代に多い代表的なスポーツ障害を例に挙げながら解説されました。
  肩関節脱臼のご説明では、脱臼再発率について10代が約70%、20代が約50%、30代が約30%であるというデータを示しながらの解説と、脱臼は回を重ねる程再発率が多くなる症状であることなど、具体的な数字や例を挙げながら説明され、聴講者にとって貴重な情報となりました。
座長:佐藤和伸学会副会長・理事
司会:田沼和学会事務局理事

『基調講演』・質疑応答の風景
【症例画像シンポジウム】
 続いて行なわれた『症例画像シンポジウム』では、佐藤和伸先生が「肩関節疾患、肘関節疾患など」をテーマにプレゼンターを担当され、パネリストには引き続きと、坂本哲也先生が就かれました。
 佐藤和伸先生が、“棘上筋腱”、“上腕二頭筋長頭健”、“上腕二頭筋長頭健”、“肩甲下筋腱”、“肩関節、関節唇” について、症例画像を提示され、解説を加えられると、パネリストであるお二方がご意見を交えられるという形で掘り下げたディスカッションが行われました。
パネリスト:
パネリスト:坂本哲也先生

プレゼンター:佐藤和伸先生

【研究発表・症例発表】
 引き続き『研究発表・症例発表』が行なわれました。座長には柳田雅彦先生(茨城県)、副座長には曽山良之輔(新潟県)に、それぞれ就いていただきました。
 研究発表は坂本明広先生(東京都)の「腫脹と超音波観察」、矢島勇先生(埼玉県)の「肩関節の超音波検査法 肩鎖関節」、坂本哲也先生(埼玉県)の「手関節の超音波検査法 舟状骨」の順で行なわれました。
 「肩関節の超音波検査法 肩鎖関節」のテーマでは、柳田雅彦先生の質問に対し、矢島勇先生が日立メディコ社製“EUB-7500”を使いながらプローブ・ワークの実演で応じました。また、坂本哲也先生が提示された「舟状骨」の画像も注目を集めました。
座長:柳田雅彦先生
副座長:曽山良之輔先生

坂本明広先生

矢島勇先生

坂本哲也先生

「研究発表・症例発表」・質疑応答の風景
【閉会の辞、連絡事項】
 最後に竹市勝諮問委員より、今後の開催日程として、年内の東北分科会と九州分科会の案内と来年の中部分科会と超音波技師試験の案内がありました。
 また、日本超音波骨軟組織学会の問題点として、研究発表をされる会員の不足を挙げられました。研究発表や症例発表について、改めて会員の積極的な参加と協力を促しながら、日本超音波骨軟組織学会第14回東日本支部学術集会は終了しました。

竹市勝学会理事・諮問委員