(JSBM)日本超音波骨軟組織学会 東日本支部
2008/11/20 更新
平成20年11月16日(日)、宮城県仙台市の榴ヶ岡市民センター第4会議室において、日本超音波骨軟組織学会第6回東日本支部東北分科会が、総勢46名の参加者を迎えて開催されました。

【開会の辞】
 外はあいにくの雨模様で肌寒い中、分科会は曽山良之輔学会理事の開会の辞によって幕を開けました。

曽山 良之輔
学会理事(新潟県)

【研究発表の部】
 開会の辞の後、最初のプログラムである研究発表の部に移りました。
柳田雅彦先生(茨城県)が務められる座長のもと、新井達也先生(埼玉県)は「上腕骨外科頸骨折の一症例」、石田岳彦先生(千葉県)は「前距腓靭帯(ATFL)の描出方法」というテーマで研究発表をされました。
  それぞれ今回の発表対象となった「肩」、及び「前距腓靭帯」については、発表後に会場からのリクエストを受け、急遽参加者をステージ側に集め、画像描出の実演が行われました。発表に使われた画像だけでは、会場の皆さんに理解がなかなか行き届かなかった部分も、実際にその場で超音波診断装置を使用しながら描出された画像とその解説によってカバーされ、一様に理解が深まったようでした。

研究発表 1
「上腕骨外科頸骨折の一症例」
新井 達也先生(埼玉県)

研究発表 2
「前距腓靭帯(ATFL)の描出方法」
石田 岳彦先生(千葉県)

【パネルディスカッションの部】
  次にプログラムは、パネルディスカッションの部へと移りました。
座長は坂本哲也先生(埼玉県)が担当され、「肩関節周囲の外傷と障害」をテーマに、パネラーである柳田雅彦先生(茨城県)と曽山良之輔先生(新潟県)の症例報告をもとにして、会場内の参加者を巻き込んだ意見交換が行われました。
  このパネルディスカッションの部では、まだ超音波診断装置を使い始めたばかりという若い先生からの肩関節周囲のプローブワークに関する質問に対し、座長の計らいで、質問者をステージに上げ、パネラーがその場で直接実技指導を行うなど、活気に満ちたディスカッションとなりました。
柳田 雅彦先生(茨城県)によるプレゼンテーション
曽山 良之輔先生(新潟県)によるプレゼンテーション、及び質問者に対しての肩関節プローブ・ワークの直接指導の様子
【ポスター発表と質疑応答】
 今回の東北分科会ではポスター形式による発表も行われ、7名の会員が参加されました。
 ポスター発表に対する質疑応答は、お昼休み中も含めた12時30分頃から開始され、柳田雅彦先生(茨城県)、柳田隆泰先生(茨城県)、矢島勇先生(埼玉県)、坂本哲也先生(埼玉県)、新井達也先生(埼玉県)、曽山良之輔先生(新潟県)、渡辺よしみ先生(福島県)の順で、発表者による解説、及び質疑応答の時間が設けられました。朝から会場内に掲示された各ポスターの前には、興味深く眺める参加者が集まり、発表者に対して真剣に質問される様子もたくさん見られ、プレゼン形式の研究発表を静かに聴く様子とは一味違った視線の強さが感じられ、あらためて、超音波観察の有用性や有効な活用方法に対する深い関心が伺えました。
ポスター発表と質疑応答の様子
【教育セミナーの部(初級編)】
 そして、最後のプログラムとなる教育セミナーの部へと移りました。
 初級編は今回は「体幹」をテーマに行われ、坂本哲也先生(埼玉県)が講師を担当され、インストラクターには新井達也先生(埼玉県)と石田岳彦先生(千葉県)が就かれました。
 プローブ・ワーク実習の対象部位となった「頚椎と起立筋群」「 肋骨・肋軟骨」「 腰椎(起立筋・椎弓)」の画像描出方法を、まずは坂本哲也先生のプレゼンテーションによる要点の解説後、実際に超音波診断装置を使用して、講師とインストラクターに手解きを受けながら、参加者自ら画像描出に取り組みました。
教育セミナー初級編 「体幹」 の様子 (会場:第4会議室)
教育セミナー初級編 「体幹」 の様子 (会場:第4会議室)
【教育セミナーの部(入門編】
 また、並行して別会場(第2会議室)では入門編が行われました。
 講師には柳田雅彦先生(茨城県)と曽山良之輔先生(新潟県)が就かれ、音響工学の基礎知識と超音波による画像描出方法の基礎をプレゼンテーション形式で詳しく解説されました。「音響工学」と言うと、内容的に少し難しそうな印象を受けるところですが、豊富なアニメーションやイラストを駆使した解り易い解説で、聴講者を飽きさせないような工夫が随所に施されていました。
 また、講義の終盤には、実際に会場内に用意された超音波診断装置(メディソン社製:SONOACE PICO)を使用しての画像描出の実演や、受講者自らプローブを手に取って画像描出を体験できる時間が設けられるなど、初心者にとって非常に充実したセミナー内容でした。

教育セミナー入門編の様子 (会場:第2会議室)

教育セミナー入門編の様子 (会場:第2会議室)
【閉会の辞、連絡事項】
 最後に、閉会の辞として柳田雅彦学会理事(茨城県)より、今年の学会開催は本日の東北分科会と、同じく熊本で開催された九州分科会で無事終了したこと、また、来年1月18日(日)に学会認定資格「運動器系超音波技師」試験が東京・大阪で開催されることや、1月25日(日)には名古屋で第17回中部分科会が開催されることなどの今後の日程がアナウンスされ、第6回東北分科会は無事終了しました。

柳田 雅彦
学会理事(茨城県)