トップ

第26回東日本支部学術集会
2011/11/29 更新
平成23年10月29日、日本超音波骨軟組織学会第26回東日本支部学術集会が東京ビッグサイト 会議棟607・608で開催されました。学術集会としては初めての土曜午後からの開催でしたが、当日は多くの先生方が出席され、総勢113名の参加者が実技講習やシンポジウムの質疑に熱心に参加されていました。
【開会の辞】  昨年12月に厚生労働省から施術所内に於ける柔道整復師の超音波検査が追認された事で、今後超音波を使用する先生方が増えてくると思われます。増えるからにはちゃんとした指導のもとで学んでほしいと思います。また各柔道整復師会に対しても今まで以上に働きかけをしていこうと考えています。 また理学療法の世界でもバイオメカニックスということでどんどん超音波を取り入れており、柔道整復師も外傷障害を単に見る身体のバイオメカニクスという観点からも使って頂き、今後様々な発表がされることを期待します。という佐藤和伸東日本支部長よりお話があり、学術集会がスタート致しました。
佐藤 和伸 東日本支部長
【教育セミナーの部】 入門編第2章「上肢(健常例)」-  講師:柳田 雅彦(茨城県)
 まず超音波のルーチンとして、問診・視診・触診・徒手検査を行ってから、超音波観察を行う事が必要であるとの説明がありました。 「超音波観察のコツ!」としては、長軸走査、短軸走査の基本的な画像の見方、プローブの持ち方、プローブの傾き(入射角)の注意点、プローブの動かし方(平行移動、回転、ピボット操作)があるとスライドにて説明されました。その上で、解剖図や骨格模型図と対比しながら肩・肘・手・指など上肢各部位の超音波画像を解説されました。 講師:
柳田 雅彦 先生(茨城県)
初級編「体幹」−  講師:新井 達也(埼玉県)
 超音波診断装置の位置づけとして、こちらでも視・問診→臨床所見(徒手検査等)→超音波観察→診断→治療という流れの説明がありました。 正確な病態把握をせず、いきなり画像診断から入ってしまうと、どこを撮ったのか分からなくなってしまう危険がある。所見で得た情報と画像診断が一致するかしないかが重要であり、一致しない場合は、さらに用心深く検査を進めていき、経過観察を行うか、または精査を依頼する形で進めていく必要があるとの事でした。 様々な症例をもとに、詳細な解説を頂いた後、参加者は講師やインストラクターの先生とご一緒に実際に超音波診断装置にて画像の描出を行いました。普段体幹を見慣れていない参加者も多くいらっしゃった様子で、画像描出に苦労されている姿も見受けられました。
講師:
新井 達也 先生(埼玉県)
インストラクター:
荒畑 勝一先生(東京都)、工藤 重孝先生(北海道)、矢島 勇先生 (埼玉県)、
坂本 明広先生(東京都)、早川 浩実先生(千葉県)、坂本 哲也先生(埼玉県)
初級編の様子
【シンポジウム】    座長:坂本 哲也(埼玉県)

「外傷治療におけるエコーの有用性」
   −会員の検討結果の発表を踏まえてディスカッションー
 パネリスト:永澤 雷太(函館五稜郭病院整形外科医長)
       佐藤 和伸(佐藤代田整骨院)
       工藤 重孝(工藤整骨院)
  
発表:
★「烏口肩峰靭帯が腱盤に及ぼす影響
   工藤 重孝先生

★「左足関節捻挫の疑い
   矢島 勇先生

★「石灰性の炎症
   小向 由子先生

★「6歳児の足部外傷 第5中足骨基部での一症例
   坂本 明広先生

実際に直面された症例、その治療過程で生じた疑問や問題点を織り交ぜた発表に、メインパネリストである永澤雷太先生も強い関心を示され、大変率直で有意義な数々のご意見がいただけました。他のパネリストや会場の参加者からも参考になる症例のご紹介やご意見が出て、シンポジウムは時間がオーバーしてもなお質疑応答が止まらないほどに盛り上がりました。
座長:
坂本 哲也先生(埼玉県)
パネリスト:
永澤 雷太先生
パネリスト:
佐藤 和伸先生
パネリスト:
工藤 重孝先生
矢島 勇先生
小向 由子先生
坂本 明広先生

【閉会の辞】
夜遅くまでお疲れさまでした。今日本当は質問したかったのに、質問する時間がなかったという方もいらっしゃると思いますが、明日もありますので、明日また永澤先生もいらっしゃるので、質問して下さい。という坂本哲也学会理事より締めくくりのお話があり、本日の学会は終了致しました。


土曜日の診療を終えてから会場に駈けつけられた先生方も多く、また夜までの開催でお疲れモードかと心配されましたが、先生方は終始熱心に取り組んでおられる姿が見受けられました。
トップ