2008/1/27
 平成20年1月27日(日曜)、愛知県名古屋市にある東京福祉大学・大学院名古屋キャンパスにおいて、日本超音波骨軟組織学会第15回中部分科会が総勢96名の参加で盛大に開催されました。

【開会の辞】
 分科会は増田雅保学会副会長・西日本支部長の開会挨拶で幕を開けました。

  増田 雅保学会副会長・西日本支部長

【研究発表/症例報告の部】
 1題目は、近藤英隆先生による 「投球障害肩の超音波観察〜リニアプローブを使って徒手検査法を併用した超音波観察〜」というテーマでの発表でした。上方関節唇損傷(SLAP)を超音波動画、MRI画像、スライド画像を用いて解説し、また発表後の質疑応答では、実際に超音波観察装置を使用して丁寧に再現していただきました。

近藤 英隆先生

 
 続いては、小池翼先生より「野球肘に対する超音波観察」 というテーマで発表がありました。少年野球障害調査や骨年齢の推移がデータとして報告され、骨年齢の比較が超音波長軸画像を基に解説されました。 まとめとして「超音波画像により骨年齢の把握や骨端部の状態を観察することは、障害の早期発見に有用であり、結果的に競技復帰を早めることにもつながる」と発表されていました。

小池 翼先生


【基調講演の部】
 増田雅保先生(西日本支部長、明治鍼灸大学非常勤講師)による「超音波観察とインフォームドコンセント」というテーマでのご講演がありました。
 増田先生ご自身が使用されている機器構成(超音波観察装置、パソコン、モニター3台)の紹介があり、患者さんへのインフォームドコンセントの様子とその重要性を解説いただきました。
 また、整形外科医への施術情報提供書・紹介状の実例も挙げていただき、「超音波のプリント画像を添付するなど、きちんとした紹介状をドクターへ送るべき」と話されていました。

増田 雅保先生

【教育セミナーの部】
 昼食・休憩を挟んだ午後からは、教育セミナーの部へと移りました。初級編「下肢の部」では、講師である渡辺正哉先生の解説に続き、会場内に設置された5台の超音波観察装置を使っての実技演習となりました。参加者は各インストラクターの指導のもと、チェックシートに挙げられた課題「膝」「下腿」「足関節」を確実に演習されました。

 並行して隣の部屋においては、金田晋先生を講師に、入門編が開催されました。超音波観察装置をまだ導入していない方や、すでに導入している方も含めて、超音波画像の特性などの音響工学的な基礎知識から、正常例で正確に描出するための知識までを学んでいただきました。


       金田 晋先生

【閉会の辞】
 山田直樹学会理事より、今後の開催日程の案内と積極的な参加が呼びかけられ、盛大な拍手に包まれて日本超音波骨軟組織学会第15回中部分科会は終了致しました。

 山田 直樹学会理事