2008/6/22

  平成20年6月22日(日曜) 、福岡県福岡市にある福岡柔道整復専門学校において、日本超音波骨軟組織学会第27回九州分科会が総勢50名の参加で盛大に開催されました。


【開会の辞】
 分科会は竹市勝・諮問委員の開会挨拶で幕を開け、各地の分科会で参加者が増えていることと、本学会の編集で「入門 運動器の超音波観察法」(医歯薬出版)が発刊されたことの紹介がありました。また本日の分科会により超音波のスキルが向上することを期待しますとの言葉がありました。

竹市 勝・諮問委員

【研究発表の部】
 増田雅保先生より、「柔道整復師の新しい戦力となりえる最新医療」というテーマで講演がありました。増田整骨院で日常的に使われている超音波治療器オステオトロンの原理と、各症例における使用効果の解説をいただきました。同整骨院で愛用されている超音波観察装置による、各症例の受傷直後の患側、健側画像と、オステオトロン照射後の画像の違いを示していただき、症例ごとに照射回数による鎮痛改善効果や骨癒合効果の違いなどの研究成果を解説していただきました。特にレントゲン、MRIで映りにくい症例で効果があることや、患者の早く治したい意欲を高めて毎日来院いただける効果など、超音波観察装置で治療効果を確認しながら使える機器との説明で、会場の参加者は興味深く聞かれていました。発表終了後は会場からの質問時間を設け、使用方法等の質問に丁寧に回答していただきました。

増田 雅保先生

【症例発表の部】
  河野哲郎先生より「超音波観察例 〜下腿三頭筋損傷〜」というテーマで発表がありました。下腿三頭筋損傷受傷時における超音波画像を、健側・患側の比較や動画を用いて発表していただきました。

河野 哲郎先生

  続いて、後藤祐之先生より「運動後・アイシング後の筋の超音波観察」というテーマで発表がありました。大腿四頭筋を運動前、運動後、アイシング前、アイシング後で比較し、それぞれの筋厚を測定した超音波画像を発表していただきました。

後藤 祐之先生

【教育セミナーの部・初級編-下肢-】

 昼食休憩を挟んだ午後からは、入門編と初級編に分かれた教育セミナーの部へと移りました。 初級編は、 大原康宏先生を講師に迎え、超音波を読影する上で必要とされる約束事や解剖学の知識の紹介があり、下肢を中心に人体解剖図と超音波画像を比較しながら解説をいただきました。
 プレゼンの終了後は、会場内に設置された4台の超音波観察装置を使っての実技演習となり、それぞれに配置されたインストラクターである、勝田浄邦先生、馬場豊先生、小幡龍生先生の指導のもと、参加者全員がチェックシートの演習課題「膝蓋靭帯(脛骨粗面)」「アキレス腱(踵骨隆起)」「第3趾MPj(背側部)」を確実に演習されました。

【教育セミナーの部・-入門編-】
  並行して隣室では入門編が開催されました。寺原雅典先生を講師に迎え、超音波診断装置を安全に使用するために必要な音響工学等の基礎知識と、超音波を使う上で大切な事項、初心者が間違いやすい画像について解説していただきました。
【閉会の辞】
 最後に大原康宏学会理事より、今後の開催日程の案内と他分科会への積極的な参加の呼びかけ、教育セミナー中級編に挑戦していただきたいとの応援メッセージがあり、大きな拍手に包まれて日本超音波骨軟組織学会第27回 九州分科会は終了しました。

大原 康宏学会理事


【過去の学会記録ビデオ鑑賞】
  閉会後、過去の学会記録のビデオ鑑賞を会員の希望者を対象に行いました。
過去に参加された先生も参加されていない先生も熱心に視聴され、画像診断のポイントを再確認されました。