(JSBM)日本超音波骨軟組織学会 西日本支部
2009/9/30 更新
前日の大雨も晴れ上がり、秋の気配が漂う大阪ビジネスパーク内の”富士通関西システムラボラトリ4階大会議室”において、93名の参加者を迎えて第13回西日本支部学術集会は開催されました。

【開会の辞】
 司会進行の立岩 大先生(大阪府)からの、個人的な撮影・録画の禁止などの諸注意に続き、学術集会は中村 辰三会長の開会の辞で始まりました。
 会長は挨拶の中で、『"骨折 "・ "脱臼 " については医師の診断が必要となるが、"捻挫" ・"打撲" ・"軟部組織の損傷" などは、"超音波診断装置"を"柔道整復師" が診断の判断材料として使うことができる権利だと考えます。しかし、業務権限を超えた使用は世間の厳しい目に晒されることになり、" 柔道整復師 "が持つ権利を失うことにもなりかねません。その様な事が無いように、「我々は業務範囲内で、正しく安全に"超音波"の使用技術を学んでいる団体である。」という認識を持って、"超音波診断装置"を取り扱って欲しい。』というお話しをされました。
大原 康宏 学会理事(福岡県)

中村 辰三 学会会長
(森ノ宮医療大学副学長・
教授、学術博士)

田沼 和 事務局理事

司会進行:
立岩 大先生(大阪府)

【講演】
 開会の辞の後、始めのプログラム『運動器エコーの最前線  〜First Lookで治療プロセスが変わる〜』 に移りました。

 座長を小林 拓也先生(大阪府) が担当され、 臨床検査技師の松崎 正史先生を迎え『講演』が行われました。
 講演の中で松崎先生は、最新MRIと最新超音波観察装置の"膝関節障害"画像を同時に表示し、「最新のMRIは0.3mmという高い分解能を持っています。比べて超音波画像は全体像を映し出すことには弱いが、最新の超音波診断装置はMRIに匹敵する分解能を持っています。」と述べられました。
 続けて松崎先生は、「ただし、最新のMRIは予約を取るのに2週間余りかかるが、超音波はその場で画像を映し出すことができます。解剖的な位置関係を理解されている先生が超音波観察装置を使えば、弱点を補って余り有る"素早さ"で診断画像を映し出すことが出来ます。時間的なロスが無い超音波は、MRIを凌駕するとも言える。」 という見解を示されました。
座長:馬場 豊(佐賀県)

座長:小林 拓也先生(大阪府)

発表者:勝田 浄邦先生(福岡県)

講演者:
松崎 正史先生(臨床検査技師)

講演の様子
講演の様子
【パネルディスカッション】
 続いて午前最後のプログラム、『パネルディスカッション』の部へと移りました。

 座長に嶋木 敏輝先生(千葉県)、副座長には山田 直樹先生(愛知県)という学会理事が就かれました。  個別テーマごとに、『肩』は大原 康宏先生(福岡県)、『膝』は丸山 功先生(大阪府)、『足首』は服部 吉修先生(京都府)がプレゼンを行い、症例画像も交えながら活発な討議が行われました。
基調講演の部司会: 川 和幸先生(宮崎県)

座長:
嶋木 敏輝先生(千葉県)

基調講演の部講師: 小林 和人  本多電子株式会社取締役、 豊橋技術科学大学非常勤講師

副座長:
山田 直樹先生(愛知県)

基調講演の部講師: 小林 和人  本多電子株式会社取締役、 豊橋技術科学大学非常勤講師

発表者:
大原 康宏先生・
学会理事(福岡県)

基調講演の部講師: 小林 和人  本多電子株式会社取締役、 豊橋技術科学大学非常勤講師

発表者:
丸山 功先生(大阪府)

基調講演の部講師: 小林 和人  本多電子株式会社取締役、 豊橋技術科学大学非常勤講師

発表者:
服部 吉修先生(京都府)

パネルディスカッション:プローブワーク実演の様子
パネルディスカッション:プローブワーク実演の様子
【教育セミナー 入門編】
 昼食休憩をはさみ、プログラムは教育セミナーの部へと移りました。

 司会進行には酒本 哲聖先生、講師には小川 仁志先生が就かれ、学会編の書籍『入門 運動器の超音波観察法』に基づき、第2章「 上肢(正常像)」のプレゼンがスタートしました。
 講義では、超音波の画像表示モードの説明や基本的なプローブ操作方法など超音波観察装置を使う上での基本操作をイラスト交えながら丁寧に解説されました。

※『入門編』は、本年度より全員参加の形となりました。このセミナーは、新たに使うすべての方に安全に正しく超音波診断装置を使っていただくために、また既に『初級編』を終えた参加者にも基礎知識の再確認として、或いは新人スタッフに教育指導を行うための基礎知識の確認といったことを目的としています。
講師:寺原 雅典先生(宮崎県)

司会進行:
酒本 哲聖先生(大阪府)

講師:寺原 雅典先生(宮崎県)

講師:
小川 仁志先生(大阪府)

【教育セミナー 初級編「体幹」−】
 プログラムは最後の教育セミナー初級編「体幹」−の部へと移りました。

 今回の初級編は「体幹」をテーマに行われ、講師には 金田 晋先生(愛知県)と小川 仁志先生(大阪府)。インストラクターには小林 拓也先生(大阪府)、丸山 功先生(大阪府)、酒本 哲聖先生(大阪府)、立岩 大先生(大阪府)、清水 俊正先生(大阪府)、河本勝成先生(岡山県)が就かれました。
 講師である金田先生が、プレゼンテーション形式で講義を進め、特に今回の実習の対象部位である「頚椎」と「腰椎」の棘突起、椎弓についてと肋骨の描出について、解剖模型や解剖写真と超音波画像を対比した丁寧な解説を行われた後、参加者による実技演習に移りました。
 また、小川先生には多くの症例画像をプレゼンいただきました。
講師:大原 康宏先生(福岡県)

講師:
金田 晋先生・学会理事(愛知県)

講師:大原 康宏先生(福岡県)

講師:
小川 仁志先生(大阪府)

初級編:会場内の様子
初級編:会場内の様子
教育セミナーの部(初級編)の様子 教育セミナーの部(初級編)の様子 教育セミナーの部(初級編)の様子 教育セミナーの部(初級編)の様子 教育セミナーの部(初級編)の様子 教育セミナーの部(初級編)の様子 教育セミナーの部(初級編)の様子 教育セミナーの部(初級編)の様子
【閉会の辞】
 閉会に当たり、西日本支部長でもある山田 直樹先生より、まず午前中のパネルディスカッションで出た宿題について丁寧な解説があり、引き続き本日の学術集会の印象として"ドプラを有効に使用している先生が多くなったこと"や、"海外の整形分野の文献には超音波の症例画像が豊富に掲載されているので是非参考にして欲しい"と述べられ、 第13回西日本支部学術集会は無事閉会となりました。
田中 和夫 学会監事(福岡県)

山田 直樹先生・
西日本支部長(愛知県)