第13回定時総会／第30回西日本支部学術集会開催報告|日本超音波骨軟組織学会／JSBM

第13回定時総会／第30回西日本支部学術集会

2016年5月22日、大阪市中央区の富士通関西システムラボラトリにて日本超音波骨軟組織学会の第13回定時総会を兼ねた第30回西日本支部学術集会が開催されました。
当日は晴天にも恵まれ118名の参加者にお集まりいただき、午前中の基調講演から午後のハンズオンセミナーまで皆さん熱心に取り組まれていました。

日時: 2016年5月22日（日）9時50分から16時10分まで
場所: 富士通関西システムラボラトリ 4階大会議室（大阪府大阪市中央区城見2-2-6）

【開会・連絡事項】

澤田規大会委員長・学会理事

開催にあたって当学会理事・大会委員長の澤田正規先生より、学会の流れ、注意事項、開催の辞を頂きました。

【会長挨拶】

山田　直樹学会長 (代理田中和夫副会長)

急遽､私用により出席が叶わなかった山田直樹会長に代わり、田中和夫学会副会長より挨拶をいただきました｡柔整による超音波の重要性の他､学校のカリキュラムに於いても画像診断が導入される事についてお話され､学会として地域の皆様に今まで以上に貢献できるよう、今後も研究に研鑽していくことを述べられた。

【基調講演の部】

座長：澤田　規　学会理事
「超音波エコーによる軟部組織の動態と運動療法」: 森ノ宮医療大学
工藤　慎太郎　先生

基調講演では工藤　慎太郎先生よりご講演いただきました。バイオメカニクスの面からエコーを活用したリハビリテーションの説明をしていただき、歩行時の筋肉の動きをエコーで動画撮影し、筋肉の動きを数値化して客観的なデータを取っておられる等として、動態観察の重要性を説明いただきました。
また、前腕や足関節の施術前後のエコー画像による症例説明があり、痛みに対して超音波観察装置を使えば原因や治療すべき部位が的確に評価できると説明いただきました。

【会員発表の部】

座長：金田晋学会理事（代理奥村卓巳学会認定講師）

パネリスト：大原先生(写真左)、勝田先生(写真中央)、渡辺正哉(写真右)

「変形性膝関節症内側型に対する円皮鍼とストレッチの複合刺激が筋の滑走性および動作能力へ及ぼす影響」　: 立山　直先生
変形性膝関節症の患者さんに円皮鍼や大腿四頭筋のストレッチの刺激を加えた前後の内側広筋と中間広筋の動きの違いについて発表がありました。円皮鍼やストレッチの前後で筋肉の動きがスムーズになり、滑走性の改善が見られた症例が発表されました。
「超音波診断装置を使用した大腿骨頸部骨折の保存療法経験」: 奥山　健志先生
大腿骨頸部の骨折および不全骨折のエコー画像による所見について発表がありました。高齢の女性に多い症例で、X線では異常所見無しと診断された患者さんが超音波診断装置で描出したところ異常所見があり、MRI検査で不全骨折が確認された症例等の発表がありました。
「オーバーラッピング・フィンガーに対する固定法の考察－超音波診断装置を併用して－」: 前田　尚利先生
柔道整復師が治療する機会の多い指骨骨折で固定中に転位が生じやすく、整復位が保持できないと回旋転位が残存することがある症例のため、超音波診断装置を活用して早期診断し整復前と整復後の確認が有用であると発表がありました。

【第13回日本超音波骨軟組織学会定時総会】

お昼休みを挟み、13時より2016年度の定時総会が開かれ、すべての議題において可決とされました｡

1号議案：2015年度事業報告
2号議案：2015年度決算報告､監査報告
3号議案：役員の再任、退任報告
4号議案：役員の新任報告
5号議案：2016年度事業案報告
6号議案：2016年度予算案報告
7号議案：その他報告

【教育セミナー】

講師：山根　款先生
サポート講師：奥村　卓巳先生

メイン観察部位：足関節: インストラクター：大原　康宏先生、勝田　淨邦先生、奥山　健志先生、酒本　哲聖先生、
　　　　　　　　　植田　正樹先生、前田　尚利先生

はじめに音響工学から説明いただき、エコー画像の成り立ちや超音波使用時のルール、メリットについてお話しいただきました。その後、足関節の症例をいくつか紹介し、前下脛腓靭帯、前距腓靭帯、二分靭帯を描出する実技が行われました。その後、今年度より始まったエコースキルごとにブースを分けたハンズオンセミナーが行われ、実技で描出した箇所を参加者にも描出していただきました。インストラクター指導のもと、どの参加者もエコースキル向上のため熱心に取り組まれている姿が印象的でした。